▼この記事では以下のことが分かります
✅ 外国人労働者支援における「制度知識」の必要性
✅ 外労士取得までの経緯と、他資格との比較
✅ 担任業務での活用や、実務における効果
✅ 共生社会を見据えた学びと発信の展望
― 外労士を知ったきっかけと、取得に至った背景を教えてください。
私は現在、山口県下関市の日本語学校「さくら国際言語学院」で教員をしています。主にアジア(中国・ベトナム・ネパール・スリランカ・バングラデシュ等)からの留学生を対象に、進学や進路相談を担任としてサポートしています。
もともとは大学院でドイツ文学を研究し、オーストリアのウィーンに留学していたのですが、現地で日本語教育に携わったことがきっかけでキャリアが大きく転換しました。市の施設で日本語を教えたり、難民支援NGOでドイツ語を教えたりする中で、「外国人支援の仕事」に大きなやりがいを感じました。
日本に帰国後、日本語教師として働きながらも、学生たちや同僚(ネパール・ベトナム・バングラデシュ出身)の在留資格や労働環境をさらに正確に理解し、適切にアドバイスできるようになりたいと考えるようになりました。
― 試験勉強はどのように進められましたか?
主に公認テキストを使って学習しました。期間は約2か月ほどです。また、職場には外国人の同僚が複数名おりましたので、同僚との会話からも学べることが多くありました。公認テキストで基礎知識がついてくると、職場での話題や関連するニュースの内容についても解像度があがり、さらに定着が進んだように感じます。
実は同時期に外国人雇用に関する資格の受験が複数控えていました。同時に複数の試験対策をすることで、内容が相互にリンクして理解が深まりやすかったです。
― 資格を取得して、実務でどのように役立っていますか?
進学を目指す学生や就職を希望する学生に対して、制度的な視点からアドバイスできるようになりました。たとえば、専門学校選びの段階で「将来どのビザで働きたいのか」を踏まえて適切なコースを薦めることができたり、就職後の在留資格変更の流れなどを説明できるようになりました。
また、労働法の基礎も体系的に学べたことで、自分自身の理解も深まり、学生が不当な労働環境に置かれていないかをチェックする目が養われたと感じています。
― 現場での具体的な課題や支援の実感はありますか?
学生の中には、アルバイト先とのトラブルや、生活面の不安定さから授業に集中できないケースもあります。アルバイトのドタキャンや無断退職など、トラブルを未然に防ぐための助言も重要な仕事です。
外労士で学んだ知識があることで、就業ルールの説明や、雇用主とのコミュニケーション支援が可能になり、学生の将来に対する責任感も高まったように思います。
― 今後の展望について教えてください。
今後は、日本語教師としての進路支援に外労士の知識を活かすだけでなく、かつてウィーンで行っていたウェブライター活動も再開したいと考えています。以前はドイツ語に関する記事を執筆したり、ニュースを翻訳して紹介したりしていました。今後は外労士としての知識も活かし、情報発信にも取り組めたらと思っています。
― これから受験される方へのメッセージをお願いします。
日本社会で外国人とどう共生していくかが問われる時代において、「制度的知識」をもって支援できる人材の存在は非常に重要です。もし、どの資格を取ればいいか迷っている方がいたら、「迷ったら全部取ってしまえ」というくらいの勢いで取り組むことをおすすめします。複数の視点から学ぶことで理解が深まりますよ。
この資格に興味を持ったその気持ちがすでに素晴らしいことです。一歩踏み出し、自分の学びを誰かの支えにつなげていってください。
宮城様、ありがとうございました。
海外での難民支援からはじまり、今では多くの外国人留学生を支援する宮城様。十分な経験がありながらも、広い知識の習得を目指す姿が素晴らしいです。今後のさらなるご活躍を心よりお祈り申し上げます。
▼記事のまとめ
✅ 合格のポイント
・日本語教育の現場で感じた制度的知識の必要性が受験のきっかけに
・公式テキストを2か月間で集中学習
・他の関連資格と並行して学ぶことで相乗効果
✅ 実務での活用例
・進学・就職を目指す学生への制度的アドバイス
・労働トラブル予防の指導や、アルバイト先との調整支援
・情報発信(ライター活動)への応用を視野に入れた展望
■宮城保之様が所属する日本語学校はこちら
【学校紹介】
「さくら国際言語学院」は、本州の西端に位置する国際海港都市、下関市に2005年4月に開校しました。
本校は山口県内では最初の試みとなった語学の専門学校として、進取の気概にあふれたスタッフと教員が文字通り一丸となり、真の国際親善と友好の増進に寄与するという明確な目標を持って、外国語と日本語の教育に当たっています。
学科は、日本語学科と国際学科があり、日本語学科では大学や専門学校への進学を目指して多くの留学生が学んでいます。国際学科はビジネス日本語コースなどがあり、さらに日本語をマスターしたいという学生が集まって学んでいます。
詳細データ:https://www.nisshinkyo.org/search/college.php?id=404
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