【合格者インタビュー】高度外国人材即戦力化&定着支援コンサルタントの菊池領子様にお話しを伺いました
2023-04-03
今回、第1回試験で『外労士』に合格された菊池領子様にご協力いただき、
『外労士』の受験に至った経緯や受験対策の方法、お仕事での活用状況についてインタビューしました。
・菊池様のお仕事についてお聞かせください。
高度外国人材即戦力化&定着支援コンサルタントとして、高度人材向けにビジネスで使う日本語・日常生活におけるコミュニケーションのトレーニングやキャリアに関するコンサルテーションを行っています。業務の中心は外国人材を対象とした企業研修ですが、経営者や人事・現場管理職の方に向けて外国人材と共働するための事前準備をサポートすることもあります。外国人材が日本の企業に定着するためには、雇用された外国人材が日本の働き方に合わせるだけでは不十分で、企業側も外国人材と日本人の従業員の双方が働きやすいように、人事の評価基準や就業規則、従業員のマインドセットを整える必要があります。外国人に伝わりやすいニホンゴを身につけることも大切です。そういった事前準備について、企業の方々に向けてお話をすることもあります。2022年度に続き2023年度もJETRO高度外国人材活躍推進プラットフォーム事業の高度外国人材スペシャリスト業務を受託しました。登録企業の方にはセミナーや個別相談を通じてこうしたお話をしています。
・『外労士』の受験をされた経緯について教えてください。
外国人との共生に関するコミュニティで、公認テキストブックの著者の一人である阿久津さんから『外労士』の紹介を受けたのがきっかけです。公認テキストブックは外国人雇用に関する知識を幅広くカバーするには非常に良いテキストですよね。外国人雇用に関しては、入管法や外国人材の採用についての話題が注目されがちですが、『外労士』では外国人材が入社した後の人事制度や労務・法務についても網羅されていることが印象的でした。「採用」だけではなく「定着」まで視野にいれた知識が身につくという点が気に入り、『外労士』の受験を決めました。
・『外労士』以外にはどういった資格をお持ちですか。
英語・中国語の教員免許や日本語教育能力検定、宅建、キャリアコンサルタントなどの資格も持っています。宅建については、以前、ゼネコンで都市開発の仕事をしていましたので、その際に取得しました。そして、都市開発を担当していた浜松で、外国人留学生の環境や進路などについて知ることになりました。その後、私自身が中国留学をしまして、異国での暮らしや海外の方と共働することを身をもって経験しました。そうしたキャリアを活かして、日本語教育に関わり、その後高度外国人材即戦力化&定着支援コンサルタントとしての活動を始め、国家資格であるキャリアコンサルタントを取得。さらに知識を深めるために『外労士』を受験しました。様々な角度から外国人雇用に関わる中で得た経験や、他資格の知識の積み重ねが『外労士』合格の助けになったと思います。もし全く知識のない状態だったら、もっと長い時間をかけて試験対策をする必要があったと思います。
・外国人雇用に関する基礎知識があったうえでの受験だったのですね。
そうは言っても、人事面や入管法に関わるところについては普段の業務で関わる領域ではないので苦戦しました。ただ、公認テキストブックのありがたい点は、どこから読み始めてもしっかり理解できる構造になっているところです。必ずしも冒頭から読む必要はなく、自分の知識が不足しているテーマから読み始めることができましたので、非常に学習しやすかったです。「入管法」については同じことを項目ごとに繰り返し説明されていて、とても助かりました。
・試験対策として具体的にどういったことをしましたか。
公認テキストブックを読んで内容を理解することが中心でした。その他には、『直前対策講座』や外国人雇用協議会で定期的に実施されている長岡先生のウェビナーなどを受講して、更なる知識の定着を図りました。
・『直前対策講座』を受講されたとのことですが、受講してみていかがでしたか。
サンプル問題を用いた講座だったので、実際の試験問題の雰囲気や難易度をつかむのに役立ちました。特に心配だったのは「問題文を全部読み切れるかどうか」でしたので、1問解くのにどれくらい時間がかかるのかを事前に確認できたのは良かったです。また、実際の試験でもサンプル問題に似た問題が出題されている感覚もありましたので、やはり受講してよかったと思います。
・問題文を読み切れるかどうかという点で不安があったとのことですが、当日の時間配分についてはいかがでしたか。
『直前対策講座』で公開されたサンプル問題は10問で、実際の試験は80問です。『外労士』は過去問の公表や模擬試験問題の公開などはありませんので、全体を通してどういった時間配分で解くかを事前に決めることができず、試験中に経過時間と残り問題数を確認しながら時間を調整しました。
1問解くのにどれだけ時間がかかるかは、本当に人それぞれだと思います。私の場合は試験終了の15分前に一通り解き終えましたが、中小企業診断士の方で「大分時間が余った」という方もいらっしゃいました。やはり中小企業診断士など、日常の様々な方面で外国人雇用に関わられている方は『外労士』の試験問題を解く力が普段から蓄積されているのだと思います。
・完全オンライン受験についてはいかがでしたか。
私の場合は他の試験でオンライン受験の経験がありましたので、特に問題なく受験できました。
・登録講習を受講してみていかがでしたか。
合格後に繰り返し学習する機会を得られたのが良かったです。やはり何度も見聞きすることで、内容の根本理解につながりますよね。忙しい中ですと、自主的に学習動画を見たり公認テキストブックを読み返したりすることが難しいので、「登録講習」という形で学習機会をいただけるのはありがたいです。杉田先生、長岡先生共にご自身の取り組み姿勢が明確なので、単なる知識に留まらず様々な気づきを得ることができます。
・『外労士』を取得して、良かったことはなんですか。
『外労士』の取得をSNSを通じて発信したところ、「こんな資格を持っているのか」「しかも第1回目なんだ」と様々な反応をいただきました。高度外国人材即戦力化&定着支援コンサルタントという肩書自体は変わらないですが、プラスで『外労士』を名乗るようになってから認知度が上がった実感があります。また、メインの業務とは別に、企業の方から外国人材の採用に関する相談を受けることも少なくないので、「採用に関するご相談もお受けしますよ」という意思表示としても『外労士』が役立っています。実際に高度外国人材の紹介依頼などのお話をいただく機会も増えています。
・将来的に『外労士』をどのように活用していきたいですか。
外国人材が日本企業にしっかり定着していくことは、企業のブランディングにつながっていくと考えています。現在は育成定着のための研修を中心に、その前段階の外国人材の採用面で企業の方と協力してお仕事をする機会をいただいていますが、将来的には「採用」の先にある「定着」、そして「企業ブランディング」まで一貫してサポートができたらと考えています。そういった点で『外労士』は、入管法や在留資格などの知識に偏ることなく、採用後の人事評価制度や労務・法務に関する知識もしっかり網羅しているので、「採用」から「定着」までの知識を保持している証明として活用していきたいです。
・ありがとうございました。
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